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民法

カード 96枚 作成者: かずとし (作成日: 2014/10/06)

  • 権利外観法理とは


    虚偽表示における善意の第三者(当事者とその包括承継人以外で、外観につき新たな独立の法律上利害関係を有するに至ったもの)保護(民法94条2項) 表見代理(民法109条、110条、112条) 名板貸責任(商法14条、旧23条) 表見支配人(商法24条、旧42条) 表見代表取締役(会社法354条)

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  • 1

    権利外観法理とは

    補足(例文と訳など)

    • 虚偽表示における善意の第三者(当事者とその包括承継人以外で、外観につき新たな独立の法律上利害関係を有するに至ったもの)保護(民法94条2項) 表見代理(民法109条、110条、112条) 名板貸責任(商法14条、旧23条) 表見支配人(商法24条、旧42条) 表見代表取締役(会社法354条)
    • 例えば94条2項は虚偽外観を真の権利者が積極的に作出した場合についての規定であるが、その趣旨がこの法理にあることから真の権利者の帰責性があるにすぎない場合にも、この規定を類推適用、その虚偽の外観の作出が真の権利者の意思を超えるものであれば110条の法意をもとに第三者に善意無過失まで要求するものの、第三者の保護を図る。 要件は①虚偽の外観の存在②1について権利者の帰責性(積極的に作出したと)③外観への第三者の信頼

    答え

    • 権利の虚偽の外観について信頼した者を保護する法理。

    解説

  • 2

    代理人と、契約の瑕疵について① 契約相手方→代理人の詐欺

    補足(例文と訳など)

    • ちなみに、101条1項:意思表示の効力が心裡留保などの規定や悪意有過失などの瑕疵により影響を受けるとき、主観的事実の有無を代理人を基準に決する。 ただし、2項:特定の法律行為を委託した場合、代理人が「本人の指図」に従って行為をしたとき本人は代理人の善意をもって、自らの悪意有過失責任を阻却できない。
    • 例外として、本人が詐欺事実について知っていた場合、公平、信義の観点から相手方の保護を重視し、実体的に「本人の指図」が認められなくとも、これを代理人の実質的支配と広めに解し、本人は取消権を認められない者とする。

    答え

    • 96条1項(詐欺取り消し)101条1項「瑕疵は代理人を基準に判断」よって代理人乙の代理行為は取り消すことが出来る。121条より「本人が取消権を得る」

    解説

  • 3

    代理人と、契約の瑕疵について② 代理人→相手方の詐欺

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 相手方の96条1項詐欺取り消しができる。101条1項は代理人が表意者である場合の規定で、相手方の意思表示の有効無効についてはこれを適用できない。 本人からの、代理人が96条2項「第三者」にあたるという主張は、本来代理人の行為の法律効果を受ける地位にある本人には認められないし、3項の「第三者」についても本人は新しく法律上の利害関係を有した者とはいえない。よって相手方は善意の本人がいても取消できる。

    解説

  • 4

    代理人と、契約の瑕疵について③ 本人→相手方の詐欺

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 相手方の96条1項詐欺取り消し。 本人自ら、同条2項「第三者」にあたり、善意の代理人をして意思表示取り消しできないと主張するのは、背理であるし、代理人に効果帰属ないので不要な保護。よって本人の取り消し拒否は認められない。

    解説

  • 5

    代理人と、契約の瑕疵について④ 相手方→本人の詐欺

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 96条1項(詐欺取り消し)101条1項「瑕疵は代理人を基準に判断」 よって本人への詐欺は代理行為の取り消し事由とはならないのが原則。(代理行為の意思表示瑕疵は代理人主観基準なので本人の錯誤とは何ら関係ない。) 例外として、権利変動の効力を受ける本人保護の必要性がある以上、101条2項の拡大解釈により、「善意」の本人には取消権の行使が認められると解する。 ※代理権授与行為の無効について 詐欺を図った相手方を96条2項における「第三者」、代理人を意思表示相手方とすれば、代理人の善意で本人はこれを取り消しできないとも言えそうだが、詐欺を働いた相手方に保護の必要はないし、代理人も権利関係維持に固有の利益なく、悪意であろうと本人は授権行為を取り消し可能と解する。 →無権代理となるが、117条2項より、その実「詐欺」に悪意の相手方はこの責任を問えないし、OK

    解説

  • 6

    法定代理権(761条夫婦の日常の家事についての基本代理権)を基本権限とした表見代理の成否は。

    補足(例文と訳など)

    • 「日常の家事」について、問題となる行為がこれに当たるかは取引の安全の要請から当該法律行為の性質、種類から客観的に判断する。 もし日常の家事と言えない場合、法律行為相手方が表見代理をいえるか、という問題。

    答え

    • 取引安全の要請は、たとえ夫婦間の法定代理であっても該当する。しかし夫婦の一方がなした行為につきただ広範に表見代理を認めては、762条にいう、夫婦財産の独立を害する。よって「相手方が日常の家事行為と信ずるにつき正当の理由がある場合」110条の趣旨(権利外観法理)からこれを類推適用し、第三者が保護されると解する。

    解説

  • 7

    両親による子の財産管理について、子に効果が帰属しない親権者の処分行為とは。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 826条の利益相反行為については、取引の安全から、代理行為の外形、客観的様相から判断すべき。しかし利益相反と言えなくとも、824条に認められた親権を行う者の財産管理権を超え、この濫用にあたることで、子供に効果が帰属しないケースも考えられる。 824条において親権者に法定代理兼が付与された法の趣旨に著しく反するような特段の事情があれば、法定代理権の濫用に当たると解する。 ※たとえ権利濫用が認められても、相手方の主観として親権者の権利濫用の事実を知り、知ることが出来た場合は93条但書(心裡留保無効の対第三者効)を類推し、保護されないので、効果が子に帰属すると主張することはできないと解する。 ※そして権利濫用に当たらなくとも結果的に自らの債務弁済に充てている場合は。代理行為は子に帰属するが、子は相手方に不当利得返還請求を考えるべき。不当利得返還制度の趣旨が公平の理念にあることから親権者取引相手方に子の財産であってことに悪意重過失あれば「法律の原因」がないものとしてかかる請求が認められる。

    解説

  • 8

    無権代理人による本人地位の相続の可否は。

    補足(例文と訳など)

    • 99条1項より、代理行為が本人に効果帰属する要件は①代理権存在②顕名③有効な法律行為の存在。

    答え

    • 一見瑕疵が治癒され、当然有効となるとも思えるが、相手方の催告権、取消権、などいかなる手段をとるかその選択を奪い、相続の趣旨が相続人を通じた従来の法律関係の維持にあることからしても直ちに有効とすべきでない。 そして相続人(本人)は信義則上追認拒絶権を行使できないというべき。

    解説

  • 9

    時効制度の趣旨と性質について。

    補足(例文と訳など)

    • 167条にも「消滅する」とあるので、1~3の趣旨からすれば、当然消滅とも言え援用なくとも、時効経過後の保証人などの弁済は無効とも言えそうだが、援用の上記の趣旨からしても、有効と扱うべき、となる。

    答え

    • 1永続した事実状態の尊重2権利の上に眠る者は保護に値せず3過去の立証の困難回避 一方で援用制度145条から、援用権を持つ者の援用を停止条件として発生する不確定権利としているのは、当事者意思の尊重を、事実状態の尊重と調和させるためである。

    解説

  • 10

    時効の援用権者は?(145条の第三者とは)

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 時効制度の趣旨が当事者の意思尊重にあることから、時効による権利消滅によって直接に利益を受ける者と解すべき。

    解説

  • 11

    時効完成を知らずにした弁済の効果は?

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 時効完成を知らずに支払った場合、時効利益の放棄とみなすことはその趣旨(意思尊重)から適当でない。しかし、相手方は通常時効完成後、債務の承認といえる行為が再びあれば通常援用はないとの期待を抱くものであり、信義則上援用はもはや許されないと解する。

    解説

  • 12

    時効の承認、利益放棄について、保証人や連帯債務者に与える影響は?

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 時効の利益の放棄は、当事者の意思の尊重を趣旨とする規定であるため、相対効として援用権者の間では何ら他に効力を及ぼさない

    解説

  • 13

    瑕疵担保請求権の期間制限について、その種類と性質

    補足(例文と訳など)

    • 損害賠償請求自体の消滅時効は売買目的物引渡から起算される。売買契約に基づく債権であるので167条1項の適用、引き渡しから瑕疵に気づく状況が生じるからである。

    答え

    • 570条の準用する566条より1年の期間制限がある。瑕疵担保責任を追及されるかもしれない相手方の不安定を避けるため、早期に権利関係を確定する趣旨として除斥期間と解する。中断は除斥なのでできないが、裁判外で担保責任に追及すれば権利は保存されると解する。

    解説

  • 14

    不法行為による損害賠償請求権の期間制限について、その種類と性質

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 724条より3年の期間制限。文理上、「時効によって」とあるので消滅時効。 後段の20年については、法律関係の確定の趣旨と解し、除斥期間と解する。

    解説

  • 15

    取消権の期間制限について、その種類と性質

    補足(例文と訳など)

    • この期間中の取消権の行使があれば、それに基づく請求権は取り消し時点から167条の債権の消滅時効10年にかかると解する。

    答え

    • 126条より5年間の期間制限。文理上「時効によって」とあるので消滅時効。 後段の20年は「行為の時から」とあり、画一的な法律関係確定の趣旨であり、除斥期間と解する。

    解説

  • 16

    債務不履行による解除権の期間制限について、その種類と性質

    補足(例文と訳など)

    • 起算点は解除権が客観的に観念でき、行使が可能になった時と解する。166条 解除による原状回復請求権は、解除時から10年の消滅時効にかかると解する。

    答え

    • 特別規定がないが、法律関係の安定のためにも、期間制限を認めるべきである。解除権は形成権であり、「中断」は観念できないため不可能だが、債権に準じて167条1項より10年の消滅時効にかかると解すべき。

    解説

  • 17

    中間省略登記について、177条の求めるように実体権利関係と合致してるといえる?

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 実体と登記を一致させることで公信力の無い登記の信用力を保持しもって取引安全を保障するという趣旨からすれば、権利関係の変動も細かく実体に即した者とすべき。 しかし登記が現在権利関係と合致しているのに、無効とするのでは帰って取引の安全を害するので、現在の権利関係を正しく公示しているのならば、有効と解すべき。

    解説

  • 18

    他人物売買への所有者の追認は有効?

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 116条における無権代理の追認も、他人物売買の追認も、無権限者の処分権限の不存在という瑕疵を治癒するものという位置づけであるはずで、いずれに認定するかも違いは小さい。 そこで116条を類推適用し、所有者の追認により契約時に遡って所有権が売り主に移転すると解する。

    解説

  • 19

    他人物売買において、所有者が売り主の地位を相続した場合、有効となるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 確かにこの場合、売主と所有者の地位が同一人に属することとなったものとして、買主は当然に目的物の所有権を取得するとも思える。 しかし本来他人物売買の買主は債務不履行として賠償請求、契約解除ができるにすぎず、相続という偶然の事情で目的物の取得ができるものというべきでない。そこで他人物売買売主の地位を相続した所有者は信義則に反する特段の事情なくして、売主としての引き渡し債務を負わないと解すべき。

    解説

  • 20

    抵当権侵害に基づく不法行為請求権の要件は。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 抵当権は目的物の交換価値を把握する担保物件であり、目的物が侵害されたとしても、直接的な損害は観念できない。目的物の侵害によりその交換価値が被担保債権の額を下回った時に初めて損害が生じたといえ、抵当権侵害が不法行為となると解する。

    解説

  • 21

    公信の原則とは。

    補足(例文と訳など)

    • 趣旨は、公示に対応した権利関係が存在するであろうと信頼した者を積極的に保護し、もって取引安全を実現すること。 権利外観法理は、真の権利者の権利行使を否定した犠牲の上に、善意者の権利取得を認める、ということで公信の原則とは異なる。

    答え

    • 真の権利状態と異なる公示が存在するとき、これを信頼して取引した者に対し、この公示通りの権利状態があったのと同様の保護を与えること。

    解説

  • 22

    公信の原則の現れといえるのは。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 動産取引においては公示と実際の権利関係の異なる蓋然性が高く、頻繁性(真の権利状態の確認が難しく取引安全の要請強い)、価値が低い事が多い(真の権利者の静的安全を害しにくい)ので公信の原則の現れとして192条即時取得で保護。(不動産は真逆なので公信原則の適用無) 債権の準占有者への弁済については真の債権者調査の要求は酷ではないが、弁済には遅滞による債務不履行の危険があり、やはり無理がある。また外観からは判別しにくい。よって478条により順占有者への弁済を認めている。 そして債権譲渡への異議をとどめない承諾についても、468条1項において認められ、その趣旨は異議をとどめない承諾により譲受人が債権にもはや抗弁がないと信頼することから保護されることにあり、取引の安全から公信力を認めた。

    解説

  • 23

    193条にいう「即時取得者からの占有回復」についてその性質

    補足(例文と訳など)

    • よって193条の「被害者」とは占有を有した者と解する。 ※例えば占有回収の訴えは所有権なくして提起できないが、この考えなら盗難による即時取得者は占有のみを得るから所有権はそのまま下の所有者のもとから動かず、転得者も無権限者からの転得として権利を持ちえず、よって盗人が転売してようが、そいつに所有権に基づいて引き渡し請求ができる、となる。

    答え

    • 192条で即時取得により所有権を取得したものとし、回復請求は占有と所有権の回復を求める特別請求権と解する見方もあるが、回復請求に所有権復帰まで認めるのは、例えば賃借人が賃借物につき即時取得者から回復請求した場合、もともとない所有権の回復を認めることになり不合理。 よって193条が成立する場合は、例外的に即時取得者は占有だけを取得するものとし、回復請求は占有物の返還を求めるものと解する。

    解説

  • 24

    履行補助者の帰責事由を本人の帰責事由と同視しうる構成とは。

    補足(例文と訳など)

    • 贈与契約については、片務契約であり何ら履行補助による利益を観念できないので、趣旨が妥当せず、帰責事由の同視はできないと解すべき。

    答え

    • 本来個人責任が原則であるところ履行補助者により利益を上げていることに着目し、履行補助者を道具として利益を増加させているのだからそのリスクもまた負うべきとするところにある。

    解説

  • 25

    契約など意思に基かない責任の追及、と聞けば何が思いつく?

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 不法行為による損害賠償請求、不当利得返還請求、事務管理費用請求、物権的請求(明渡請求、妨害排除請求など)占有に基づく訴権(占有回収、占有保持)、法定担保物権、時効、添付など

    解説

  • 26

    545条1項但書きにおいて解除の遡及効から保護される第三者とは?

    補足(例文と訳など)

    • 直接効果説からは、契約が遡及的に無効となる以上、545条1項但書きの第三者と解除権者との関係は177条の対抗関係になるとはいえないので対抗要件なくして、第三者が保護されるとも思えるが、何ら帰責性なく権利を害される解除権者の犠牲のもと保護される第三者には保護に値するレベルの、強い権利関係が必要と解されるので、対抗要件を有することが同項但書による権利保護要件となると解する。

    答え

    • 解除規定の目的は契約の拘束力からの解放にあり、よって契約は遡及的に消滅する。(直接効果説)よって同の趣旨は、契約が訴求的に無効となることにより被害を受ける者の取引安全の観点からの保護にあることから、第三者とは解除前に、その契約目的物につき新たな権利関係を取得した者をいうと解する。

    解説

  • 27

    下取り契約の性質とは。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 下取りの約束を別個売買契約とすると法律関係を複雑にするので、下取りしたものを売買契約における代金債務の代物弁済482条と解するのが当事者の意思にかなうといえ適当である。

    解説

  • 28

    AさんはBから自動車を買いましたが、Bがその自動車を買ったCにお金を払わないので、B→Aの引き渡し後契約を解除されてしまいました。AさんはCの返還請求を拒めますか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • ①545条1項但書の解除の効果からの「第三者」の保護をして抗弁したらいい。ただし、対抗要件の具備、ここでは自動車の登録名義がいるよ。 ②192条の即時取得は、公信性を占有にもたして動産取引の安全確保することに趣旨があるので、登録制の自動車は同さんだけど、主張できない。 ③①で所有権とれなければ、AがBから買って占有下で整備とかグレードアップとかしてれば有益費になるので、これの償還請求権をして、295条1項より留置権を主張して拒める。法定債権として弁済期は到来してるし、期限の猶予があればよい。

    解説

  • 29

    不特定物の現実の提供するも買主の受領拒絶、その後の売主下での滅失について、権利関係はどうなる?売主A、買主B

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 401条2項によれば、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了すれば、特定が生じ以後そのものを特定物として扱う、とする。 思うに特定の趣旨は、債務者の負担を軽減することにあるので、「~完了」するとはその負担軽減の利益を得られるだけの、債務者としてなすべき行為をなした、ことを言うと解する。「現実の提供」でクリア よって買主は他の種類物引き渡し請求はできない。 特定物の引渡債務は後発的不能に陥るが、現実の提供をなしているので、492条より債務不履行による責任を免れ得る。 (債務者が弁済の提供をすれば、債務者としてなすべきことをなしたとして、注意義務を軽減し、目的物の滅失につき故意または重過失なくして履行不能の責任を負うことはない。) 後発的不能より代金債務は危険負担の問題だが、現実の履行により特定が生じたので債権者主義が妥当。534条から滅失しない。415条より履行遅滞責任に問えるし、485条で増加費用請求も可能。

    解説

  • 30

    不特定物(瑕疵あり)の現実の提供するも買主の受領拒絶、その後の売主下での滅失について、権利関係はどうなる?売主A、買主B

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 引き渡した目的物に瑕疵があれば、現実の提供はなく不特定物となる。 →Bは他の種類物引き渡し請求が可能。 また492条の適用無いので債務不履行責任、履行遅滞による解除もできる。(415条、541条) (債務者の帰責事由条件が邪魔なので瑕疵担保責任に問えないか検討してみて、570条の趣旨が当事者均衡にあることから、不特定物売買では引き渡し債務消えず、適用はない、とする。) 引渡債務は消えないので危険負担の問題にはならないから代金債務も存続。 ただ現実の弁済なくBの同時履行抗弁権は消えてないから履行遅滞責任、485条費用請求も無理。

    解説

  • 31

    受領遅滞責任は具体的にどのように追及するのか。

    補足(例文と訳など)

    • 履行遅滞といっていいのかな?債務の一部なのかな?
    • 多数、学説あり

    答え

    • 債務履行を受ける「受領」は債権者の権利で義務ではなく、よって受領遅滞責任は、債務不履行責任の一部ではなく、法政策的に定められた法定責任と解する。よって413条から直ちに損害賠償責任、解除権は認められないと解する。(履行遅滞とは別) ただし目的物の性質が長期保存に耐えうるものではない、受領には債権者の協力が不可欠などの事情があり、契約当事者双方に明白であれば、信義則上、黙示の引き取り義務が観念でき、債務不履行責任も解除もできる。

    解説

  • 32

    制限種類債権とは

    補足(例文と訳など)

    • 危険負担の問題では、究極的には種類債権であるとし、積極的に特定しなければ不特定物として債務者主義が妥当する。

    答え

    • 限定された範囲を超えて債務者が目的物の調達義務を負わない特別な種類債権。例えば倉庫内の500個の内の200個、といった具合だと500個には特定が生じているといえる。特定物債権と同様に扱うことが当事者の意思に合致する。

    解説

  • 33

    乙は乙所有倉庫にある500台の動産の内200台を甲に売却する契約を甲とかわした。しかし甲が指示したトラックに200台を分離したところ、トラックを盗まれてしまった。 甲乙の権利関係は。

    補足(例文と訳など)

    • ※倉庫自体焼失したケースでは、500台全体の特定は生じているので履行不能となるが、帰責事由なく危険負担の問題となれば制限種類債権は究極的に種類債権なので不特定となり、債務者主義が妥当する。少しトリッキー。

    答え

    • 乙の引渡債務は持参債務で乙は493条本文にいう債務の本旨に従った弁済として、現実の提供をなさなければ「物の給付をするのに必要な行為を完了した」とはいえず、トラックに乗せても特定を生じさせない。 ○では同項後段「債務者が債権者の同意を得てその給付すべきものを指定したとき」といえないか。 本問では債権者甲がトラックを指定しているがそもそも種類債権において特定が必要とされるのは、種類債権では抽象的に定められているに過ぎない目的物も、その給付に当たっては目的物を具体的に決定しなければならないから。 さすれば、同視でき、特定が生じ、乙の引渡は履行不能なので引き渡し請求はできなくなる。 ○履行不能につき乙に帰責事由あれば、甲は債務不履行による賠償責任、解除請求ができる。 そして乙は、これに対して、残り300台の内から200台引きわたすことで、それらの責任を免れ得る。(変更権)なぜなら制限種類債権について債権者は金銭賠償よりも、代替物を望むのが通常であるし、乙も転売利益相当の損害を被らずに済むから信義則によって認められる。 そして甲は帰責事由ある乙に代金債権が請求できる。 ○帰責事由なければ危険負担の問題となるが、目的物の特定は前述のとおりなされており、534条2項債権者主義の適用により、代金債権は存続すると解する。 特定によって目的物が確定し所有権が債権者に移動するところ、その時点で危険も債権者に移転するし、危険負担は任意規定なので特約で「滅失すれば代金債権は消滅」としておけばよい以上、双務契約の牽連性を重視して債権者が目的物の支配を得られない以上534条適用を制限する見方もあるが、妥当でない。 よって甲は乙に代金請求ができる。

    解説

  • 34

    瑕疵担保責任の出てくるケース、その趣旨。

    補足(例文と訳など)

    • よって種類物売買では適用がない。

    答え

    • 目的物に隠れた瑕疵があっても、目的物が特定されていればその物の引渡さえすれば、売主の給付義務は消滅する。しかし当事者の債権債務が消滅するとしてしまっては双務有償契約である売買においては、買主の保護に欠ける。そこで当事者の公平を図るため、買主に目的物の瑕疵について売主の責任追及を認めたものである。 つまり瑕疵担保責任は特定物売買において当事者間公平のため法が定めた法定責任であり、売買全般の債務不履行についての特則ではない。

    解説

  • 35

    積極的債権侵害の債務不履行責任は観念できるか?

    補足(例文と訳など)

    • 不法行為責任よりも、消滅時効、過失の証明責任、履行遅滞の基準時などの点で契約責任を問う方がラク。
    • 保護義務は、給付義務と異なり積極的債権侵害による賠償で公平を図る趣旨なのだから、当事者だけでなく、積極的な侵害で第三者に及んだ損害についてもその責任が及ぶ。(否定説:契約当事者という堅密な関係にあるからこそ契約責任という強力な責任を問えるのであって、第三者に拡大すれば保護範囲をあいまいにし、新たに契約関係に入ることを委縮させる。)

    答え

    • 売買契約における売主の義務は通常給付義務に尽きるはずであるが、契約関係にある当事者間では1条2項信義則に従い、履行を通じて相手方の生命、身体に損害を与えないという保護義務が認められる。 さすれば債務者の契約上の義務として、これを果たさないときは415条債務不履行責任が認められる。 保護義務を否定的に解すなら、416条2項の特別の損害に含めてしまう。

    解説

  • 36

    動機の錯誤が95条による法律行為無効原因となるのはどんな時ですか。

    補足(例文と訳など)

    • 錯誤とは、内心的効果意思と意思表示の間に不一致が生じ、表意者がこれを知らないことをいうが、動機の錯誤においては表示から推断される効果意思における取引の目的物に不一致なく、95条にいう錯誤とは言えないとも思える。 しかし錯誤規定の趣旨は、表意者自身の保護にあって、同期の錯誤の場合でも保護の必要性は変わらない。一方で、取引相手方が知りえない、動機の錯誤を常に無効原因とすれば取引安全を害することになる。 そこで、取引に移る動機が明示または黙示に表示され、意思内容とし法律行為の内容として要素の錯誤といえ、更に錯誤が無ければ契約締結に向かわなかったことが言えれば、無効としてよいと解する。

    答え

    • 取引に移る動機が明示または黙示に表示され意思表示内容とされることで、要素の錯誤といえ、更に錯誤が無ければ契約締結に向かわなかったといえるとき

    解説

  • 37

    契約無効となり清算中に起きた危険(買主の帰責性なし)の負担は

    補足(例文と訳など)

    • ただし無効原因が真贋の錯誤などなら、売却価格のそのままの返済は不公平である。危険負担の趣旨は支配領域で起きたリスクを負担すべきという点、債務者の保護を図って公平を期する点にあるところ、物を支配している者がその物の時価の限度で危険を負担すべきである。 つまり物の返還債務は時価相当額の返還債務として存続し、その限度で危険を負担する。売却価格はその限度を超えるものであり、依然売主はその返還債務を負う。

    答え

    • 売買契約の無効による清算は、ちょうど双務契約の性質をもっているので、危険負担を類推適用すべきで、原則的に536条の債務者主義を類推適用、双方の債務が消失するものとする。

    解説

  • 38

    寄託契約中の、受寄者に帰責事由ない目的物の滅失があるとき、報酬の返還債務はどうなるか。

    補足(例文と訳など)

    • 帰責事由ないので契約責任には問えない。
    • よって安全に保管できていた期間分の報酬については受領権限がある。 寄与者は過払い分の不当利得返還請求ができる。

    答え

    • 寄託契約は目的物を返還して目的を達するものなので報酬全額について返還すべきとも思える。 しかし寄託契約は継続的契約であり、目的物の消滅により終了するし、条文上も受寄者の帰責事由なく寄託契約が終了したときは報酬は履行割合によって請求できるとしている。664条、648条3項(寄託契約が準用する受任者の報酬規定)

    解説

  • 39

    Aは土地の賃借人であったが、賃貸人Bから売買により所有権を得た。 しかし第三者Cに二重譲渡され先に登記を備えられてしまった。AはDの土地明渡請求を拒めないか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • BからA,Dに対して二重譲渡がなされており、AとDは対抗関係に立つ。そして本問ではDが登記を備えており、Dに背信的悪意は認められないため、177条よりAはDに所有権を対抗され、確定的にDが本件土地の所有権を獲得する。 そこでAがDに賃借権を対抗できるかが問題となるところ、まず賃借人が目的物の所有権を獲得した場合、混同により賃借権は消滅するものと解する。 さすれば本問でもAは賃借権を有さず、Dの請求は認められそうである。 しかし賃借人がいったん所有権を有していたという事情のみでかえって不利な立場におかれるのは妥当でない。(Bからの売買により所有権を有していなければ賃借権が存続し、これを対抗して明渡請求を拒める) そこで不動産の賃借人がその不動産を買い受けた場合において、その旨の登記を得る前に第三者へ二重譲渡され、当該第三者が登記を先に備えた場合、近藤によって消滅した賃借権が、第三者の所有権の取得により消滅しなかったことになる。よって賃借権を対抗できる。 ○さらにAは借地上に保存登記を経由した建物を有する以上借地借家法10条1項より、法定借地権を持ち、これを対抗できる。よってAの承諾なくしてAD間にDを賃貸人とする賃貸借契約が成立すると解する。賃貸権が所有者ならだれでももつ没個性的債権であるので承諾を要さず承継させても酷ではないから。

    解説

  • 40

    A→B、B→Cにそれぞれ売買代金債権を有したときCがAに弁済することを約したとして、AB間の売買契約が錯誤により無効となった場合、Cの不当利得返還請求における「法律上の原因」の存否をどのように判断すべきか。

    補足(例文と訳など)

    • 第三者のための契約である。537条1項 A(第三者)←B(要約者)←C(諾約者)
    • (Bからすれば、Cが本来自らに弁済するはずだった債権を犠牲にして、Aに対する債務の弁済に充てているが、Aに対する債務が無いものとなった以上、Aが得たCの80万円は、理由のないものとして、不当利得と構成、直接自らへの支払いを請求できるものと解する。)

    答え

    • そもそも不当利得返還の制度は、公平な分担にあるので、「法律上の原因」とは受益者に利得を保持する実際上の理由があることをいうと解する。 そしてAB間の売買契約の無効によりBC間の契約も無効になるとすれば同契約の履行としてCからAへの弁済も無効となり、Aが利得を保持する原因が無くやはり「法律上の原因」は無いとも思える。 しかしBC間の契約はCが第三者Aに直接代金支払い債務を負担することをBに約するもので、要約者B,諾約者Cとする537条1項にいう「第三者のためにする契約」と解する。 第三者のためにする契約においては、第三者(A)が要約者(B)に債権を有するなどの、特別な権利関係が背景にあるのが通常であるが、この対価関係は第三者のための契約の内容ではないので要約者(B)と諾約者(C)の契約に効力を及ぼさないし、第三者(A)と要約者(B)の間で不当利得の問題となるのみ。 よってCの弁済がBとの契約上有効であるので、Aの利得は法律上の原因はあるといえ、CはAに対して不当利得返還請求はできない。 またCはBに対しても、Bが「利益」を得ていないので、不当利得返還請求はできない。

    解説

  • 41

    債権譲渡において、債務者は、譲渡人に譲渡前に生じた債権を自働債権として、譲受人に相殺を主張できるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 468条2項によれば、債務者は通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由を持って譲受人に対抗できるとされている。 相殺に関しても、その担保的機能を重視し、両債権の弁済期の前後を問わず、債務者が譲渡人の債権譲渡前に債権を取得していれば、のちに相殺適状に達したときは相殺を主張できると解する。 ちなみに債務者の相殺抗弁と、譲受人の債務者に対する債務を自働債権とした相殺抗弁の優劣は、①相殺は意思表示で効果を生じるもので506条1項、先に意思表示をなした時点で相殺適状の時点に遡り債権が消滅するといえ(同条2項)よってその後相殺意思表示の時点では相殺すべき債権は存在しないことになるし②債権回収に熱心なものを保護すべきで、意思表示の先後で決すべき。

    解説

  • 42

    Aは息子BのCに対する貸金債務500万円を消滅させたいが、Bはこれを拒否しているところ、Bの合意を必要とせず債務を消滅させる法律的方法はどんなものがあるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • ○第三者弁済474条1項:他人に債務弁済されることを潔しとしない当事者の意思を尊重し474条2項より、「利害関係を有しない」第三者は債務者の意思に反して弁済できない。親子関係だけでは利害関係を言えないので× ○債務引き受け:債務の同一性を維持したまま引き受け人に移動する契約。(契約自由から認められ明文なし)Cの合意なしにできるには併存的債務引き受け、履行引き受けが考えられるが、どちらも引受人と債務者の契約を前提とするものなので× AC間の免責的債務引き受けはBの意思に反することはできず許されないがAC間の併存的債務引き受けにより、債務弁済、求償権の放棄をしてもBの債務を消滅できる ○債務者の交替という更改514条:Cの同意を要する。但書により債務者の意思尊重を趣旨に、「更改前の債務者の意思に反するとき」にはできないものとされるので× ○保証及び連帯保証446条、454条:債権者の利益保護の趣旨の制度なので446条2項より主債務者の意思に反しても保証人となれる。よって保証契約を結び、保証債務を弁済して債務を消滅できる。 ○債権譲渡+債務免除466条1項、519条:CよりBに対する債権の譲受を得、Bに対して債務を免除する、という構成。466条2項にいう譲渡禁止特約が無い限りBの同意なしにC→Aへ譲渡可能。

    解説

  • 43

    賃借権に基づく妨害排除請求はできるか?

    補足(例文と訳など)

    • 我妻説:物上請求権が認められる趣旨は物権の支配力であり、賃借権についても類似の排他的支配力をもつ場合、つまり不動産への賃借権登記、もしくは「占有」をもって物上請求権を認め得ると解する。

    答え

    • 賃借権は債権であり、不動産賃借権には物上請求権の根拠とはならなさそう。 この点不動産賃借権の多くが生活基盤を提供するものであることからすれば、妨害排除請求権を認める必要性が高く、また支配利用権としては物権との類似性をゆうする。 そもそも物上請求権は物権が排他的支配性を有することから認められたと解されるところ、賃借権も対抗要件さえ備えれば、排他的支配性を観念できる。 そこで、不動産賃借権も、土地の賃借権であれば土地上の建物についての登記、もしくは賃借権自体の登記をもってして、賃借権に基づく妨害排除請求が可能となる。

    解説

  • 44

    賃借権に基づく、賃貸人の権利(所有権に基づく妨害排除請求)の代位行使は可能か。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 債権者代位については、債務者の無資力、被保全債権が金銭債権であることが要件であるが、本ケースのような場合では必要性と、423条の文言が金銭債権に限定していない、425条が423条を含めていないところ転用は許すべき。被保全債権が金銭債権でなければ無資力要件もおのずと不要。

    解説

  • 45

    建物の新所有者が賃貸人の地位につくのはどんな場合?

    補足(例文と訳など)

    • 612条にあるように、「賃借人の地位の移転」は賃貸人の承諾を得なければ契約解除されるのが原則。ややこしいけどちなみに抵当権設定後目的物について賃貸借契約した賃借人は、387条より、抵当権者の同意、およびその旨の登記を、賃借権登記に併せて持ち得なければ抵当権者に賃借人の地位を対抗しえない。

    答え

    • ①借地借家法31条1項より賃借人が対抗要件を備えているとき ②物権移転の当事者間に賃貸人の地位移転につき合意があるとき 賃借権が対抗要件(この場合借地借家法31条1項より登記不要、引渡でよい)を備えている場合、賃借目的物の所有権移転により、賃貸人の地位も当然に承継される。 また同意に基づく賃貸人たる地位の承継は、引渡債務を負うという債務引受の性質をも伴うのであるが、一般の債務引受と異なり、賃借人の同意を要さないと解する。 なぜならば賃貸人の、貸す債務は通常所有者なら誰でもなしうる被個性的なものであり、同意を要件とせずとも賃借人に酷でないから。(当然承継とすることで通常賃貸借契約の係属を望む賃借人の期待にも資する)

    解説

  • 46

    建物の新所有者が賃貸人として家賃請求できる基礎は?

    補足(例文と訳など)

    • しかしもはや賃貸人の地位を有さない旧所有者、登記を有さない新所有者ともに賃料請求できないのは賃料債務を宙に浮かし妥当でない。 公平の観点から、登記をなし要件をそろえるまでの賃料相当額を不当利得として請求できると解する。704条

    答え

    • 賃借人の承諾なしに賃貸人の地位が移転する(賃貸人の地位の非個性)点、賃借人の賃料二重払いの危険が生じうる。 そこで賃借人を177条の「第三者」に当たると解し、賃借人に賃貸人たる地位承継を主張するには、通知よりも明確な建物所有権登記によるのが妥当と解する。 (賃貸人の地位承継は物権変動を争う場合を規定した177条の本来の適用場面でないが、その地位移転が所有権移転と密接に関連するものであるので、所有権帰属を決する登記により地位を対抗できるとすることが賃借人にとって明確であるため)

    解説

  • 47

    賃料不払いによる信頼関係破壊からの解除権発生は、賃貸人たる地位が移転した新所有者Cと賃借人Bの法律関係にどのような影響を与えるか。(旧所有者A)

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 賃貸人の地位はCに移動しており、もはやAが解除する地位を存しない。 それではCへの賃貸人の地位移転をもって、賃料不払いによる解除権も移動するか。 解除権にも、行使するには明確性の要請は賃料請求の場合と同様で、登記を要すると解する。 よって旧賃貸人Aと登記の無い新所有者Cどちらも解除できずBを不当に利するとも思えるが、Aが解除できたのに自分の意思で賃貸人たる地位から離脱したのだし、CはAC間の契約に債務不履行が無い以上、困難とは言えない登記具備により解除権が行使されることから、妥当と解する。 しかし、信頼関係の破壊という事情は、当事者間で個別的になされるべきもの。よってCがAB間の延滞分を引き受け、これをBに請求したが依然不払いであるなどの事情なくして、解除権行使はできない。

    解説

  • 48

    賃貸借契約において目的物が滅失したなど、使用収益させる債務が履行不能に陥った場合、権利関係はどうなるか。

    補足(例文と訳など)

    • 賃貸借の危険負担

    答え

    • 貸主の帰責事由が認められれば借主は債務不履行責任を問いうる。 債務不履行による解除がなければ、本来契約は有効なものとされ、賃料債権は541条による解除なければ存続するとも思われるが、賃貸借契約は継続的に使用収益権を賃料を対価に取得するもの、履行不能ならば当然に契約終了し、真の所有者の立ち退き請求とともに賃料債務が消滅、損害賠償請求で処理すべき。 そして貸主に帰責事由が無い場合、貸す債務は「物」に関する物権でないので、原則的に536条1項を適用、反対の賃料債権は消滅すると解する。 借主に帰責事由があった場合、536条2項より例外的に債務者は反対給付の請求権を失わない者とされるはずであるが、賃貸借契約は、継続的な使用収益を目的とするもの、目的物が滅失した以上、使用収益させることが不可能であるのに、対価である賃料債務のみ存続するというのは現実性を欠く。 よって賃貸借契約が当然に終了し、履行不能以後の賃料債務は発生しない

    解説

  • 49

    土地賃貸借契約の目的土地の新所有者からの所有権に基づく引渡請求にどう対処できるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • まず登記を有していれば、605条より賃借権を対抗し、賃貸人の地位移転から拒める。 しかし登記が無ければ605条の「効力」を生じないし、賃貸人の地位移転もこちらから主張できないが背信的悪意者で攻める余地はある。まず不動産所有権取得者にとって背信的悪意者は登記の不存在を主張する正当の利益をゆうするとは言えないため、177条の第三者とは認められない。 登記制度は、自由競争の名の下先に登記を具備したものが所有権者の中で有効な対抗力をもつとすることで、公示力を登記に持たせ、取引の円滑な進行を図る制度であり、本来主観は問わないが、自由競争原理を逸脱するだけの背信的悪意者ならば保護に値しないといえるからである。 そしてこの原理は、賃貸借契約においても、たとえ賃借権が債権といえど、その支配力の点物権化傾向にある以上、妥当し、背信的悪意者は賃借権を得たものに登記の欠缺を主張し605条の裏を取るに値しない。 よって本問でも、丙に乙を困らせる目的で妨害排除請求をなしたと言えれば、背信的悪意者として、乙は丙に登記なくして賃借人の地位を主張し引渡を拒めると解する。 また権利濫用で攻めるのも手。具体的状況を基礎に利益衡量で決する。

    解説

  • 50

    賃借人が新所有者に賃借人の地位をもって対抗するには対抗要件がいる(605条)一方で、新所有者が賃貸人の地位の移転をいうには賃借人の承諾はいらない、どういうこと?

    補足(例文と訳など)

    答え

    • ずばりいえば、「物権的請求に対して例外的に債権的立場を保護できるか」という物権に基づく請求に対する問題と「物権を有するものが賃貸借契約当事者の地位を引き継ぐか」という物権者の債権所有の問題で、賃借人の対抗と新所有者の請求の原因が異なるのである。 賃借人はもともと賃貸借という目的物物権には何ら関係ない、有償契約からの債権債務関係に属するのみの存在。本来賃貸人としての人に何かいえるだけで、所有権に基づく請求には何ら抗弁は持ちえない。賃貸人は所有者である必要もそもそもない。 でも、賃貸人が所有権を他に移せば、賃借権が登記されていたり、建物が引渡されているなど、外観上新所有者に彼らが賃借人と分るのにもかかわらず、賃借人を追い出せるいうのは、賃借人に酷。そこで対抗要件あれば新所有者を勝手に賃貸人とできるってことにした。 でも新所有者が自分が賃貸人だよ、って債権者的立場から主張するなら別。本当の所有者と賃貸借契約を結びなおせるのも賃借人の利益になる。賃貸人の債務なんて所有権持って使わせておくだけの債務だから別にいちいち賃借人に通知して承諾を得て…なんてしなくても賃貸人の地位の基礎にしていいよってことになった。(ただ債務者に対しての家賃債権は、二重支払の危険から家賃の問題へ)

    解説

  • 51

    賃貸借契約の目的建物の譲受人は、譲渡人と賃借人の特約を争えるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 目的物譲受人にも特約を当然対抗できるとすれば賃借人に有利であるが、譲受人がかかる法的安定性を損ないかねない特約について知らない場合にも不足の損害を受任させるのは不公平である。 よって調和を図るため、466条2項の類推適用により、譲受人が特約の存在につき悪意・重過失のうちに契約締結していればその効力を対抗できるものと解する。 ※賃貸建物の譲受の時点で特約の付いた地位を移転されたと解することで、悪意・重過失を要件として特約効力を及ぼしても新たに地位に制限を付するものとはならない。 そして悪意・重過失であれば、かかる特約を排除する意思を表示内容として建物譲受され、賃借人もこれを承諾しなければ、目的物譲受人に特約は承継されると解する。

    解説

  • 52

    承諾転貸借において、賃貸人は賃借人の失踪による契約解除後、転借人が払わなかった賃料相当額の支払い請求ができるか。

    補足(例文と訳など)

    • 解除前、解除後で異なる。

    答え

    • 解除前:613条1項より賃貸人は転借人に対して直接賃料請求ができる。しかしその範囲は、賃貸人が賃借人についてゆうする賃料額に限られる。 613条1項の趣旨は賃貸人保護にあるが、もともと賃借人に請求で来た金額につき転借人に請求できるとすれば保護として十分だから。 解除後:賃借人の付与した利益があろうと、因果関係は認められる。賃貸人は所有する建物を他に賃貸すれば賃借人の付与した利益込の借料を得られるから。 賃借人の権利を奪うことになるとも思えるが、失踪した賃借人の保護必要性の低さ、248条による不当利得返還請求の余地があり不当じゃない。

    解説

  • 53

    196条2項にいう「有益費」とは。

    補足(例文と訳など)

    • 趣旨は公平の観点なので、客観的に判断する。たとえ返還先の使用目的に資することがなくとも、占有物の客観的価値を増加させさえすれば、有益費に当たるといえる。

    答え

    • 占有物の改良のために支出した費用。

    解説

  • 54

    損害賠償の範囲

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 無過失責任を問いたり(他人物売買の担保責任561条)、法定責任といえる賠償なら信頼利益:無効な契約を有効であると信じたことによって受けた損害 債務不履行による損害賠償ならば履行利益:契約が完全に履行されたならば債権者が受けるであろう利益。その範囲は相当因果関係説をとる。

    解説

  • 55

    敷金債務をもって、同時履行の抗弁として明渡請求を拒絶できるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 敷金とは賃貸借によって生ずる一切の債権の担保として供するものである。 よって契約終了後明渡までの間の損害賠償、不当利得すらも担保することから、その返還請求内容が確定し権利が発生するのは明渡時と解する。 よって敷金債権と明渡は同時履行の関係にたたず、明け渡しを拒絶することはできない。

    解説

  • 56

    承諾転貸借において、賃貸人は賃借人との賃料不払いによる契約解除をもって転借人に明渡請求できるか。

    補足(例文と訳など)

    • 論点:474条第三者弁済の催告の要否

    答え

    • 承諾転貸借契約において、現賃貸借契約の債務不履行解除をなすには、転借人への催告を必要とするか問題となる。 確かに転借人の保護の必要性、催告の容易性から催告を要するとも言えるが、賃貸人の解除権を不当に制限することになりかねず、やはり催告を要求するのは妥当でないと解する。思うに信頼関係の破壊の時点で解除権は有効に発生したといえるし、承諾転貸借契約も原賃貸借契約を基礎とするもので、解除の効力は当然に及ぶとしても不当とは言えない。 また、解除を有効としても承諾転借人に主張できるのか、承諾転借権を対抗されないか問題となるが、転借権が原賃貸借契約を基礎とする以上、債務不履行解除後はこれを対抗できない。

    解説

  • 57

    承諾転貸借において、賃貸人と賃借人の合意解除は転借人に対抗できるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 承諾転貸借契約が締結されている際、原賃貸借契約の合意解除には転借人の承諾を要するか問題となる。 思うに承諾転貸借といえど、基礎となるのは原賃貸借契約である以上、その基礎が解除された場合には当然転貸借契約も消滅するのが原則と解する。 しかし合意による解約によっても、追随的に転貸借契約を消滅させては、転借人の地位を賃貸人、賃借人の意思にゆだねることとなり、あまりに保護に欠ける。 そこで転借人の同意なくして、同意による解約は転借人に対抗できないと解するべき。

    解説

  • 58

    承諾転貸借において、転借人の同意ないとき、敷金返還債務のゆくえは。

    補足(例文と訳など)

    • かなり難解

    答え

    • 敷金の趣旨が、賃貸借について生じる一切の、賃借人の賃貸人に対する債務の担保にあることから、敷金返還債務は賃貸人たる地位に随伴するとする法律構成① 他方、敷金返還債務の移転を債務引き受けと構成、賃借人の同意なくして債務は新賃貸人に承継されないとする法律構成② が考えられるが、いずれが適当か。 ①の法律構成は法律関係を簡明にするが、敷金返還債務が債務者の資力により履行可能性が左右される分、個性的な債務であり、債権者たる賃借人の同意なくして敷金返還債務を負担するものが変更されるとするのは、賃借人に不測の損害を与えかねず不当である。 そこで②の法律構成をとるべき。 もっとも、併存的債務引き受けをなし432条より旧賃貸人と連帯債務を負担すれば賃借人に有利である(賃貸人の無資力リスクは分散される)ので賃借人の同意は不要となるので望ましい。

    解説

  • 59

    事務管理によって発生した損害、報酬は702条1にいう有益費といえるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 思うに事務管理の趣旨は、相互扶助精神を尊重し、他人の事務の管理費用の返還を債権化したことにある。 よって実質的公平を図るためにも、有益費の定義は広く解すべき。

    解説

  • 60

    内縁の妻に、夫の事故死について損害賠償請求権、慰謝料請求権は生じるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 長期間、内縁の夫の扶養で生活していたのであれば、扶養利益の逸失を損害として独自に709条より不法行為損害賠償請求が可能。 そして711条からすれば、近親者でなければ、慰謝料請求は出来ないとも思えるが、711条は列挙された者の立証責任の軽減を規定したのみに過ぎず、かかる関係を有さない者にも慰謝料請求権は認められる。 ※ただし重婚的内縁という偶然の事情で慰謝料について負担が倍増するのは加害者に酷なので、損害の公平分担という不法行為の精神に反する。よって慰謝料額は調整されるべき。

    解説

  • 61

    法定代理人が被代理人所有の建物を、後見開始前に愛人契約維持のため贈与、開始後同様の意図でこれを追認した。 論点は。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • まず、他人物贈与も契約上は有効。本人の法定代理人追認で所有権が移転する。116条の類推。859条より追認できそう。 ただ自己利益図る目的→利益相反は取引安全要請による外形判断で使えない→権利濫用、法の趣旨違反で言う。 93条類推で相手方保護。 +公序良俗違反も言える。119条より追認潰す。 相手方側からの、708条不法原因給付の主張は趣旨(クリーンハンズの原則は取戻主体が異なれば不適)不適より認められない。

    解説

  • 62

    請負人の過失は、注文者に対する損害賠償責任の根拠となるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • まず716条により709条不法行為責任は負わない。確かに他人を利用して利益を上げているものは、信義則上被用者の過失を自らの過失と同視されると解するので、利用者に対する損害賠償請求も可能と思える。しかし請負人は注文者と独立して義務を負う者、請負人の不法行為責任を注文者が負わない点716条で明記されている以上法もその分離を予定していると解する。よって原則、注文者自身に、手抜き工事を支持したり、知っていて放置したなどの帰責事由が無くては注文者は損害賠償責任を負わないと解する。

    解説

  • 63

    請負契約において請負人が正しく工事していないが、催告しても工事をやめようとしない場合、完成前の注文者はどうしたらいい?

    補足(例文と訳など)

    答え

    • ○まず641条により、目的物完成前の契約解除を請求することが出来る。工事が完成していない本問では、かかる請求は認められるが、途中までにおいて請負人が消費した材料費などは注文者が損害賠償せねばならず(641条)注文者にとって有利とは言えない。 ○よってAは635条による瑕疵担保としての解除権を主張することが考えられる。しかしかかる規定は目的物完成後の規定であり、工事途中の本問ではこれを主張できず、認められない。 ○そこでAは541条より、契約責任として、Bとの請負契約解除を主張することが考えられる。 請負契約についても、債務不履行の規定が適用されるのか。 思うに請負契約も仕事完成までは債務不履行の一般原則に従い、不履行責任は観念できる。 では、本問において不履行があったといえるか。 確かに請負契約における請負人の債務は、注文された目的物を完成させ、引き渡すことをいう、つまり結果債務であり、仕事完成前には結果が観念できない以上債務不履行を観念できず、認められないとも思える。 しかし仕事途中で生じる結果でも、仕事完成のためには適切な実現が必要である。さすれば請負人には仕事途中の時点でも、仕事の重要な各要素について適切に完成させる義務を観念できる。催告あるのにこの義務を果たしていないので、541条の責任として解除できる。

    解説

  • 64

    請負人の工事手抜きによって発生した雨漏りによる二次的災害は634条2項の損害賠償の範囲に含まれるか。

    補足(例文と訳など)

    • ※雨漏りという瑕疵によって通常生ずべき二次的損害であるとする。

    答え

    • 雨漏りという瑕疵は「重要」であるし、修補費用100万円は請負代金2000万円に比べれば「過分の費用」とはいえないよって634条但書にあたらず、有効に634条瑕疵修補請求ができると解する。 では二次的損害について、634条2項より瑕疵修補とともに、損害賠償請求ができるか。 二次的損害は、当該請負契約の本旨にそった瑕疵のない目的物の引渡であれば起こりえなかった損害で、履行利益であるが、634条2項による損害賠償の範囲に履行利益は含まれるか。 思うに請負の場合は瑕疵の無い仕事をすることが契約上の義務に含まれていると解するので、請負の担保責任は570条にいう瑕疵担保規定の特則であって、同時に債務不履行の特則であると解する。 故に履行利益も含まれると解する。

    解説

  • 65

    債務者の債権を代位行使したとき、債権者は第3債務者へ直接自己への支払いを請求できるか。

    補足(例文と訳など)

    • 優先弁済的効力を否定する学説も多い。

    答え

    • 債権者代位権は総債権者のための権利ではあるが、そもそも債権者代位(423条)の制度趣旨は債権保全にあることから、金銭債権の場合債務者が給付を受領しない(可能性がある)場合にも債権保全を可能とする必要があるため、自らへの直接の支払いを請求できると解する。

    解説

  • 66

    719条(共同不法行為責任)の趣旨と、要件とは。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 判例では、①709条の要件を備え②かつ各行為者の間に客観的関連共同性が認められることを719条責任を問う要件とするが、それではそれぞれ別々に709条責任を問う要件も満たすこととなり、共同不法行為責任を問う意味がなくなる。 そこで、719条1項「前段」は各行為者の間に、客観的関連共同性+主観的関連共同性が認められる場合において、各行為者の行為と結果の因果関係を擬制する規定であって、各行為者による因果関係不存在の抗弁を許さない趣旨であり、 同項「後段」は各行為者の間に客観的関連共同性のみ認められる場合、各行為者と結果の因果関係の証明責任を行為者側に転換し、真偽不明のリスクを行為者に負わせる趣旨のものであって、709条とは異なる独自の存在理由を有すると解する。 その性格は不法行為責任の目的が被害者の救済にある以上不真正連帯債務と解すべきで、一方への弁済以外の法律行為は他方へ影響しないと解すべき。 連帯関係にある以上どちらも被害者に全額賠償責任を負うが、前述の寄与度の反証が成功していれば、自らの負担部分以上の賠償については他方に求償できると解する。

    解説

  • 67

    特定物売買において買主が手付を先に支払っているとき、危険負担の問題となれば債権者主義より代金債権は残存するところ、手付の放棄によって契約を解除できるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 557条1項より、手付を放棄し、契約の解除ができないか。 思うに、かかる請求が認められれば、代金債権は契約解除で消滅し、534条の意義が失われるとも思えるが、思うに534条は任意規定であるし、解約手付は約定解除権の留保を意味し、買主にとっては危険負担による損害を防止する意図があったといえ、解約手付により危険負担の規定は排除されると解する。ゆえに売主が債務履行前と言えれば、手付の放棄によって契約を解除、代金債務を免れうる。

    解説

  • 68

    使用者の過失による事故で死亡した被相続人の契約責任、不法行為責任に基づく損害賠償請求権の相続について、考えられる問題。

    補足(例文と訳など)

    • 契約責任なら417条により10年、不法行為責任なら724条により3年の消滅時効にかかる

    答え

    • ○被害者が即死しているとすれば、まず権利主体性が観念できないことでそもそも損害賠償請求権が発生していないとも考えられるが、受傷後死亡したときとの違いはほんのわずかなケースもありえ、その誤差で請求権が相続できないというのは被害者請求に失する。 よって損害賠償請求権は有効に発生し、これを相続した者は債務者に請求できる。 ○契約責任として精神的損害についての慰謝料を相続できるか。 かかる点、慰謝料の被害法益は精神という内心のものなので、慰謝料請求権は一身専属権として相続対象には入らないとする見方もある。 しかし慰謝料請求権は、415条債務不履行責任の中にあり、417条でいえばただの金銭債権に過ぎない。よって相続対象から除外する必要はないと解する。 また慰謝料の趣旨は当事者間の公平にあって、その調整機能に鑑みれば本人の権利行使の意思表示なくとも当然に相続されると解する。 ○短期消滅時効によって請求権が失われているのではないか。「損害~を知った時」の意味が問題となる。 この点被害者保護の見地から事実上損害賠償請求をなしうることを知った時とする見解もあるが、法の不知を許すこととなり妥当でない。そこで法律関係の早期安定という724条の趣旨にかんがみて、客観的に権利行使が可能となった時と解するのが相当。 本問では、事故の時点で損害賠償請求権が発生し行使可能といえ、係る辞典を起算点とする。 そして4年経過しているので、甲が乙の権利行使を故意に妨げるような事情が無い限り、甲の時効援用によって不法行為責任追及は認められないと解する。

    解説

  • 69

    協議離婚に伴う財産分与(768条)は、詐害行為取り消し(424条)の対象となるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 協議離婚に伴う財産分与は、財産権を目的としないものであり、424条2項より詐害行為取り消しの対象とならないのではないか。 そもそも財産分与は当事者の自由な意思にゆだねられる身分行為でありまた離婚後における相手方の生活保護の要素もある。よって分与者が債務超過状態にあっても原則詐害行為取り消し対象とはならないと考えられる。 しかし前述したように仮装離婚が認められる以上、財産分与による債務者資力減少のリスクから債権者を保護する必要も認められる。 そこで、財産分与が、1:768条3項の趣旨にかんがみて不相当に過大な額であること 2:財産分与に仮託してなされた、財産の処分といえること これを満たせば、詐害行為取り消し対象としてよいと解す。

    解説

  • 70

    詐害行為取消の要件とは。

    補足(例文と訳など)

    • ⑤は④と、⑥は③と関連して述べて良い。 詐害意思、害すべきことの悪意については、積極的に相手を害する意思でなく、無資力にあるにも関わらず、詐害行為によって取引相手方への履行義務を免れるという構成の場合「無資力を基礎づける事実を知っていること」のみで大丈夫。

    答え

    • ①被保全債権の、詐害行為前の存在②債務者の無資力③詐害行為④詐害意思⑤受益者もしくは転得者の悪意(424条1項但書き)⑥財産権目的の法律行為を債務者が行ったこと(同条2項)

    解説

  • 71

    所有権とともに不動産の登記を得たBからの転得人Cに対して、二重譲渡により所有権を得たAが登記なくして所有権を主張できるためには?

    補足(例文と訳など)

    答え

    • Bが背信的悪意者でなければBの下で権利が確定し、もはやこれを争えず、Cは常に177条の第三者といえる。 ではBが背信的悪意者であればCに登記ない所有権の主張のため背信的悪意の主観要件が必要か。 そもそも背信的悪意者は177条の適用を受けず登記なくして所有権を主張される立場にはいるものの、所有権自体は有効に取得しうる。ならば、転与者Bが背信的悪意者としても、転得者Cは有効に所有権を取得し、かかる転得者について、さらにCに背信的悪意が認められなければ、177条の第三者として登記なくして所有権を対抗できない者と解する。 よって、B,Cがともに背信的悪意者でなければ登記の無いAには自らへの移転登記請求はできない。

    解説

  • 72

    特定物の引渡債務を保証した保証人は、主債務者が引き渡さないとき、どのような責任を負う?

    補足(例文と訳など)

    • 不特定物ならば、代替種類物による履行が可能。

    答え

    • 主債務者が目的物を引き渡さない以上、かかる債務は履行不能となっている。この点、主債務が履行不能な以上、保証債務は無効となるとも思える。 しかしそれでは保証人の存在をもって代金を前払いした債権者に酷である。 思うに保証契約の趣旨とは、債務担保によって債権者の保護を図ることにあり、保証人の通常の意思としては、万が一契約上自らが保証する債務の履行がなくとも債権者に迷惑をかけないようにする、というものと解する。さすれば主債務が特定物の引渡債務の場合、保証人は債務不履行に基づく損害賠償請求をも保証すると解するのが相当。

    解説

  • 73

    買主の支払った前払代金の、契約解除による原状回復義務は保証人が負うか。

    補足(例文と訳など)

    • 学説のひねり回し。原状回復義務の性質についての言及があれば点ありと思われる。

    答え

    • 思うに解除の趣旨が当事者の一方が債務を履行しないときまで、反対債務に縛られる他方の当事者を契約の拘束にかからせるのは不当として、これを救済することにあるので、解除により契約効力は遡及的に発生するものと解する。 さすれば、解除後に発生する原状回復義務というのは不当利得返還義務を本質とするもので、契約責任とは別個独立した債務、保証債務は原状回復義務には及ばないのが原則と思われる。 しかしそれでは前払い代金の返還を誰にも請求できず、債権者に酷である。 思うに契約当事者のために保証する場合保証人の通常の意思としては債務者が契約当事者として負担する一切の債務を保証し相手方に損失を被らせないというものと解されるので、保証債務は原状回復義務にも及ぶと解する。

    解説

  • 74

    抵当権侵害の問題では、いかなる請求を検討すべきか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • ①物権的請求権(抵当権に基づく妨害排除請求)②不法行為③物上代位372条、304条④期限の利益喪失137条2項⑤増担保請求、が考えられるといい。

    解説

  • 75

    主物たる建物に抵当権が設定されているとき、従物には抵当権が及ぶか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 思うに抵当権は目的物の占有を所有者にとどめ使用収益を認めつつ、交換価値を把握するもので、かかる価値権としての抵当権の重要性にかんがみれば、「付加して一体となっているもの」370条とは抵当目的物の交換価値を高める、つまり価値的に一体となっているものといえる。 よって従物とは主物の価値を高める以上、なくしては抵当目的物の交換価値を実現できない以上、不可一帯物といえ、付着時期の抵当権設定の前後を問わず370条より抵当権が及ぶと解する。

    解説

  • 76

    抵当権設定を受けた建物から分離した従物に抵当権が及ぶか。

    補足(例文と訳など)

    • 第三者の主観により抵当権の物権的効力が遮断されると解しても、抵当権者は抵当権侵害を理由に137条2項から、期限の利益を喪失させ、設定者に即時被担保債権の履行請求が可能になるし、1条2項より増担保請求、つまり他の物について担保設定を請求できる。また709条より、かかる分離従物を第三者に引き渡した者に対して不法行為による損害賠償請求しうるので、抵当権者に酷とは言えない。

    答え

    • 確かに抵当権はその目的物の占有を抵当権設定者の下にとどめつつその交換価値を現状把握するもので、付加一体物を含め目的物の全部を支配する、不可分性をゆうする物権であるので分離物にも抵当権が及ぶと思われる。 しかし抵当権が及ぶかどうかは、分離されて位からは外見上判断が難しく、抵当権を一律に及ぼせば取引の安全を害する。 そこで各視点の調和として抵当権の効力は、第三者が即時取得192条の要件を満たした時点で及ばなくなると解する。 ※分離物が抵当不動産の上に存在し抵当権登記による公示の衣に包まれているといえなければ、背信的悪意者でない限り、かかる分離物を所有するに至った第三者に抵当権を対抗できないという説もある。(即時取得を潰すなら悪意有過失でいいのでこの説はかなり抵当権者にとってきつめ。)

    解説

  • 77

    建物を競落した者は、土地の所有者に対して賃借権を主張できるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 370条は抵当権の及ぶ範囲として、「付加して一体となっている物」としており、賃借権のような権利に抵当権は及ばないのでは。 しかしかかる規定の趣旨は目的物と価値を一体になすものについては法律上一帯を見なすべきということにあり、土地利用権についてもかかる趣旨が及ぶ以上、一体とみなすべきである。 よって370条を類推適用し、建物に対する抵当権の効力は設定者の賃借権にもおよび、賃借権を有効に取得すると解する。 ではこれを所有者に主張できるか。 思うに612条にあるように、賃借人の地位の移転は賃貸人の承諾を得なければ契約解除され、建物の収去請求を拒めないのが原則である。 ※ただし賃貸人の承諾に委ねられることは新所有者の地位を不安定にすることの救済として借地借家法20条より、裁判所に承諾に代わる許可を求めることが出来る。

    解説

  • 78

    抵当権者の同意なくして抵当権設定後賃貸約契約を結んだ賃借人への、抵当権に基づく物権的請求権の可否

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 387条より賃借人は賃借権の対抗はできない。 抵当権に基づく妨害排除請求自体可能か問題となる。抵当権は被占有担保であり賃借人が通常の使用収益をするのみでは、抵当不動産の占有関係につき何ら干渉する権限を有しない。 しかし賃借人が賃借権に基づき適法に抵当不動産を占有しているとしても、抵当目的物所有者は、その使用収益を許されていようとも担保的価値を維持管理すべきであり、抵当権実行による競売の妨害となるような占有権限の設定自体許されない。よってその占有権限の設定、ここでいえば賃貸借契約について抵当権実行としての競売手続き妨害目的があり、実際占有によって抵当不動産の交換価値の実現、および優先弁済効が妨げられるような場合、抵当権自体への侵害と解され、もって抵当権に基づく妨害排除請求が可能であると解する。 さらに抵当不動産の所有者に抵当目的物の適切な維持管理が期待できないとき、抵当権者は占有者に対して直接自己への明け渡しを求め、管理占有ができると解する。 なぜなら所有者自体に妨害が認められる以上、自己への占有移転を認めなければ妨害排除請求の意味がなくなるからである。

    解説

  • 79

    譲渡担保権の法的性質とは。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 所有権自体移転し、担保設定債務の履行で所有権がまた復帰するという構成も考えられるが、当事者の意思として担保権設定を目的とする以上、担保権の取得のみ認めるだけで十分と解する。 つまり、担保権者に所有権は移転しない。「担保的構成」

    解説

  • 80

    設定者Aが担保目的物を賃貸し、賃借人Dの過失によって目的物が焼失した場合、担保権者B,Cはいかなる請求ができるか。(Aに対して4つ、Dに対しても考える)

    補足(例文と訳など)

    • Bは抵当権者、Cは譲渡担保権者とするが、違いはないです。引用したのでめんどくさいから直してないだけ。

    答え

    • ①まずDの失火により建物が焼失したことは137条2項「担保を滅失させ」た事に当たり、Aは期限の利益を失い、B,CはただちにAに債務履行請求ができるようになる。 ②次にAには担保権設定者として信義則上1条2項より担保価値維持管理義務を負い、目的物たる建物が焼失している以上、かかる義務は履行不能となっている。 そこでB,CはAに対して債務不履行責任415条に問えないか。思うに、債務不履行の要件となる債務者の帰責事由は、債務者の故意、過失またはこれと同視しうる事由をいう。 そして賃借人の過失は信義則上賃貸人の過失と同視しうる事由として債務者の帰責事由に当たるものと解する。よってB,CのAに対する債務不履行に基づく損害賠償請求は認められる。 ③また不法行為責任追及709条もなしうるが、契約責任とは異なるのでAとDの帰責事由を同視すべき理由もなく、A自身に帰責事由が認められるという場合に限り、認められる。 ④さらにB及びCはAのDに対する目的物返還債務の履行不能による損害賠償請求権(賃借人の履行不能)について物上代位できる。(372条、304条) ◎またDに対しては、失火責任法より重過失ある場合のみ、709条不法行為責任が生じる。

    解説

  • 81

    譲渡担保権設定者が債務を弁済しないとき、担保権の実行により所有権を債権者(担保権者)が有するためには?

    補足(例文と訳など)

    • まず、「担保的構成」(譲渡担保権の法的性質参照)より、譲渡担保権設定時、設定者から所有権は動かない(担保的効力のみ)。
    • 債務者が担保物を占有している場合、担保権実行で、設定者たる債務者の権能は所有権から占有権に変わる。そこからの時効取得に注意。

    答え

    • 担保的構成であろうと、債務者が債務弁済をしない以上、債権者は譲渡担保権を実行でき、それにより目的物所有権は債権者に移転するといえる。 しかし履行期を過ぎた瞬間の未払いとして担保権が実行でき受け戻しはもはやなしえないとするのはあまりに、担保権設定者に酷である。 そこで当該譲渡担保契約が処分清算型(第三者に担保物を処分し、差額があるなら設定者に返還)ならば担保権者が他に譲渡したとき、帰属清算型(差額を清算金として設定者に支払い、債権者:担保権者に担保物が帰属する)では清算金の支払またはその提供の時あるいは清算金が生じない旨の通知をしたときに、受け戻し権が消滅し、もはや設定者は目的物を受け戻せないと解する。 ※もっとも帰属清算型でも、債務者が弁済期に弁済しないならば、担保権者に目的物が帰属する以上それを処分する権能を取得、第三者に譲渡したとき受戻権は消滅すると解する。(2つの区別にあまり意味は無いともいえる)

    解説

  • 82

    賃借権自体の時効取得は可能か。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 不動産の賃借権は、継続的に占有することを内容とする債権で、永続的な事実状態の尊重という趣旨が当てはまるので、<163条>にいう「財産権」として時効取得自体可能と解する。 しかしその要件は①継続的利用という外形的事実、に加え②それが賃借の意思によることが客観的に表現されていることが必要と解する。

    解説

  • 83

    譲渡担保権が設定された動産が請負契約において使用された場合、未払いの請負代金債権に物上代位できるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • ○まず前提として当事者の意思及び経済的実質にかんがみ譲渡担保の本質は債権保護としての担保権設定にあり、一方で先取特権について物上代位を認めた304条1項、質権に準用した350条、そいて抵当権について準用した372条を見れば物上代位性は優先弁済的効力をゆうする担保物件に認められる性質である。よって譲渡担保権に基づく物上代位も可能であると解する。 ○とはいえ、本件請負代金債権は物上代位の対象となるか。請負は、304条1項の列挙事由に明記されておらず、問題となる。 思うに物上代位とは、担保目的物の価値代表物に担保権の効力を及ぼすことを認め、もって優先弁済効を確保する点にある。そして請負代金債権の場合、当該動産以外の材料、労働力などに対する対価という性質を持ち、価値代表物とは言えないので物上代位対象とならないとも思える。 しかし請負代金に占める当該動産の価額割合(殆どを占めてる)や請負人の債務内容(その動産設置が簡易であり主な内容)に照らして、請負代金債権が実質上売買代金債権と同視できるような場合、例外的に物上代位の対象としてよいと解する。

    解説

  • 84

    304条1項(抵当権、質権への準用)において、物上代位について価値代表物(債権)の払渡し、引渡しの前に差押を要求する趣旨は。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 第三者の取引の安全は優先弁済効をもつ担保権の対抗要件の具備によって、その目的物の価値代表物に対する物上代位の可能性の公示が同時に図られている。 よって「差押え」の趣旨とは、第3債務者を二重払いの危険から保護することにあると解する。(価値代表物として物上代位の対象となりうる債権の債務者が、そのまま担保権設定者に払ってしまった場合、もはや物上代位は許さないという事。) ※かかる価値代表物についての債権譲渡は、第三者が担保権設定者に弁済してしまうことを意味しない。「払渡し」に含まれず、二重払いできないようにする必要もない。債権譲受者の履行請求と、担保権者の物上代位の対抗の問題。対抗要件の具備の先後こそが担保権者との優劣を決める。

    解説

  • 85

    補充~表見代理が成立し本人に契約履行を請求できるとして、無権代理人への責任を問えるか。一方表見代理が成立したとき、無権代理人への117条責任につき2項から示される善意無過失要件につき、いかに解すべきか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 110条表見代理の成立要件はまずⅰ基本代理権の存在ⅱ代理人の権限逸脱ⅲ相手方の善意無過失(109条は別) ○表見代理が成立するならもちろん本人に契約責任を問えるが、無権代理人117条責任を追及できるか。この点無権代理責任を表見代理の補充的責任と考える見解は表見代理で当初の目的を達成できるとして否定するが、①117条による無権代理責任は取引安全を図り代理制度の信用を維持するための無過失責任②表見代理は相手方保護のための制度で、無権代理人が免責口実とするべきでない③表見の立証は困難 よって表見代理が成立していても無権代理人に責任追及できる。 ○無権代理を補充責任とする説は、表見代理の存在意義を失わせないため善意重過失と解すべきとするが、そもそも117条2項は、1項で相手方保護のため重い無過失責任を無権代理人に負わせるけど、その分悪意有過失の相手方は保護に値しないから~という趣旨であって、重過失と解する必要はない。よって悪意有過失で表見代位が言えない相手方は無過失責任の117条2項要件も満たさず、これを問えない。不法行為責任でいけばいい。

    解説

  • 86

    110条(与えられた代理権限を逸脱する取引行為への表見代理)と112条(与えられた代理権限が消滅した後の取引行為への表見代理)は、重畳適用できるか。例えば、抵当権設定のため与えていた代理権を取り消した後、無権代理人が権限外の取引をしたとき、本人にその効果を帰属させられるか考えるとき問題となる。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 判例はこれを認める。根拠は、どちらも取引安全や代理制度に対する信頼の保護という共通の趣旨を有し、かかるケースにどちらも適用することが趣旨により適うといえるから。 具体的には一定事項について代理権が与えられ、これが消滅した後この消滅代理権の範囲を超える代理行為がなされた場合、相手方の善意・無過失を要件に、110条112条を重畳適用し売買契約は本人に帰属する。

    解説

  • 87

    本人を装って代理人が行った取引行為につき、効果を本人に帰属させられるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 99条1項にいう顕名がなく、表見代理規定を適用する根拠を欠くのではないかとも思えるが、顕名が必要とされるのは意思表示の効果が帰属するものを相手方に知らせ相手方に不測損害を被らせないようにするため。 さすれば、代理人に法律効果を本人に帰属させようとする代理意思と、効果貴族主体の形式的な明示があればかかる意味の顕名が認められる。 本人を装う場合でも、効果貴族主体の本人の名が示され、代理意思も一応認められるので、顕名が認められ、表見代理規定を適用、相手方の善意無過失で本人に効果が帰属すると解する。(※109条と110条の重畳適用も可能。

    解説

  • 88

    無権代理人がなした他人の動産の売買につき、相手方に即時取得が成立するか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • ①これを肯定すると動産ならば相手方の善意無過失のみで物権が移動してしまうが、本人に一定の帰責事由があることを要件として(+相手方の善意無過失)、本人に効果帰属を認める表見代理の趣旨を害する。 ②即時取得は動産取引の安全を保護するものであるが、そもそも取引が有効でなければ保護に値しない。 よって即時取得は無権代理の場合適用されないと解する。 ○他人物売買ならもちろんおk

    解説

  • 89

    他人物売買で、相手方に所有物を引き渡しできなかった売主はいかなる責任を負うか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 561条より、他人物売主としての信頼利益についての損害賠償責任を負う。 一方移転できないことに帰責映画あれば415条より契約責任、つまり債務不履行責任を負い、履行利益について損害賠償責任を負う。 561条は売買契約の有償性に鑑みて原始的不能の場合生じる対価的不均衡を是正、買主を保護するため法が定めた無過失法定責任で、契約上の一般的責任とは要件、効果を異にする415条の要件も満たせば、取引の安全のためには請求権競合とすべきだから。

    解説

  • 90

    受領遅滞責任として損害賠償請求、解除が認められないか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • そもそも債務履行を受ける「受領」は債権者の権利で義務ではなく、よって受領遅滞責任は、債務不履行責任の一部ではなく、法政策的に定められた法定責任と解する。よって413条から直ちに損害賠償責任、解除権は認められないと解する。(履行遅滞とは別) ただし債務の履行に債権者の協力が不可欠であり、受領に行為性が観念できるときや目的物の性質が長期保存に耐えうるものではないなどの事情があり、契約当事者双方に明白であれば、信義則上、黙示の引き取り義務が観念できる。

    解説

  • 91

    特定済の種類債権につき、これを自らの帰責事由によって滅失した後、同種物の引渡で債務不履行責任を免れるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 免れると解する。(変更権)なぜなら制限種類債権について債権者は金銭賠償よりも、同種のワープロを手に入れることを望むのが通常であるし、乙も転売利益相当の損害を被らずに済むから信義則によって認められる。

    解説

  • 92

    特定の趣旨とは。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 引渡債務が誰にも帰責できずに後発的不能に陥った場合、反対債務に拘束されることの不当から債務者を救うためのものであって、債務者として保護に値するだけの、契約の趣旨に従いなすべき行為をなしたことをもって401条2項「物の給付をするのに必要な行為を完了した」という。もしくは401条2項後段「債務者が」「債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したとき」も特定が認められる。 持参債務なら分離し相手方への持参・引渡す旨をのべること(現実の提供)、引取り債務なら準備(分離)・通知・催告(口頭の提供)をもって必要な行為といえる。(特定・相手方の同時履行の抗弁権はく奪がいえる)  つまり受領拒否の危険がある場合や債権者の協力が必要な場合(引き取り債務はこれ)などは口頭の提供で足りる。

    解説

  • 93

    特定の趣旨と関連して危険負担とは。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • もし特定物について、もしくは不特定物に特定が生じた目的物について、これがどちらの当事者にも帰責性なく滅失してしまった場合(帰責性あればもちろん債務不履行責任など)、所有権をゆうする引き渡し債権者が危険を負担すべきとするもの。(債権者主義) ただし、不特定物であればいずれの物に ※売買契約=双務契約でありその県連性を重視して債権者が目的物を得られない以上かかる規定適用を制限する見方もあるが、やはり特定によって目的物が確定し所有権が債権者に移動するところ、その時点で危険も債権者に移転するし、危険負担は任意規定なので特約で「滅失すれば代金債権は消滅」としておけばよいので、債権者主義の適用が認められるべき。 ※原則は債務者主義である。

    解説

  • 94

    瑕疵担保責任の本質とは。要件も思い出して。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 特定が生じていさえすれば目的物に隠れた内在的な瑕疵があってもこの瑕疵物の引渡で給付義務が消滅するが、売買契約の有償性からすれば買主の保護に著しくかける結果となるので、 当事者の公平を図るため、買主に目的物の瑕疵について売主の責任追及を認めたものである。 つまり瑕疵担保責任は特定物売買において当事者間公平のため法が定めた法定責任であり、売買全般の債務不履行についての特則ではない。よって不特定物の売買や、特定後の瑕疵については適用できない。 ※要件は目的物に隠れた瑕疵があること。隠れたとは、取引上一般の買主が要求される注意義務を尽くしても発見することのできないことをいい、瑕疵とは、通常目的物が有すべき性能・品質に欠けること。特定物についての期待を下回るだけではだめ。

    解説

  • 95

    契約上、種類物につき中等の品質を有さないどころか、過失によって相手方につき積極的債権侵害をなした場合、いかなる賠償責任が生じるか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • もちろん不法行為責任709条は言えるが、債務不履行責任はどうか。 売買契約における売主の義務は通常給付義務に尽きるはずであるが、契約関係にある当事者間では1条2項信義則に従い、履行を通じて相手方の生命、身体に損害を与えないという保護義務が認められる。 さすれば債務者の契約上の義務として、これを果たさないときは415条債務不履行責任が認められる。

    解説

  • 96

    Aが2000万円の価値があると思ってBから購入した絵画が100万円の贋作で、錯誤で売買契約無効、支払った不当利得の返還の段階で、返還義務がどちらの帰責性もなく履行不能となった時、いかに解決すべきか。

    補足(例文と訳など)

    答え

    • 売買契約の無効による清算は、ちょうど双務契約の性質をもっているので、危険負担を類推適用すべきで、また534条、535条の場合に当たらないため原則的に536条の債務者主義を類推適用、双方の債務が消失するものとする。 しかし本問でこう解すればAは100万円の価値しかない偽物を買ったのに2000万円の代金は取り返せずBはこれを保持することとなり、不公平である。 危険負担の趣旨は支配領域で起きたリスクを負担すべきという点、債務者の保護を図って公平を期する点にあるところ、物を支配している者がその物の時価の限度で危険を負担すべきである。 つまり物の返還債務は時価相当額の返還債務として存続する。 本問ではAが絵画を支配しており、Aが時価100万円の限度で危険を負担するというべき。 よってAは100万円、Bは2000万円の返還債務を負い、対当額で相殺される

    解説

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